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安曇野の診療所の跡継ぎにと言われた話

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4月前半を過ごした安曇野・古民家日記。 

 
春が爛漫、、いや爛熟しておりました。
かつてこれほどダイナミズムを感じる春があったかな・・

清水のはためく如く山葵畑

穂高神社



地元の人が、愛着と畏敬を込めて「有明富士」と呼ぶ霊山。私にとっても、新たな郷のシンボルとなりつつあります… 




そして食べ物が美味しくて美味しくて、胃が捻転しそう。

近所のガレット料理店。withみっきーさん

馬、鹿、猪…新鮮で滋味深い地元のジビエに、とれたての独活、蕨、蕗のとう、フユナ、ノカンゾウ、自生のヨモギや、、名もなき地野菜たち🌿
を、地元の蕎麦にトッピングし、おろしたての山葵でキリリっといただいた日には、味蕾細胞のすべてがジンジンジンジンジンーーーーーと一斉に唱和します。

ずっとこれが夢だった。数年前から春の体が「山菜、山菜、浴びるほどの山菜!!」と欲してやまず(どこか悪かったのかしら)やっと成就。
体の奥で腫瘍が溶け、傷が修復されてくような…


安曇野女子たち、ぺっぴん!


こんな田舎でも、たまに空を見上げると、飛行機雲に似た不穏な一本筋が浮かんでおり「ああ…」と思いますが、

地場山菜や野草を🌿食していると、明らかに便が変わり(紙いらず)、尿が変わり、足浴の排液が変わり……これグラフェンとかグリホサートとか(ホ)とか、厄介なものも抜けてくんじゃないかしら。
サプリには決してない、多重層的なキレーション感覚です。というか、こういう生きた食事によるデトックス期間にサプリを飲んじゃいけない。

しかし、こんな強い生命体🌿大量摂取は、何週間も続けられません。デトックスが嵩じて腎が弱りそう。植物は恐ろしいものでもあります。

そして、そこら中で松葉の焚き火が上がっているので(落ち松葉はなかなか分解されない)、ふらふらと散歩するだけで、松葉煙草デトックス状態🔥

うちにもアカマツが何本か生えているので、希望の方は囲炉裏で松葉を焚き、シェディング退散祭りはいかがでしょう🤣

かくして、地元の山菜野菜をもりもり食べつづけるローカルシニアたちはお元気なんです。100歳で元気に畑仕事をしているお兄様とか……




そんなお話が、本題です。


引っ越しに同行くれたみっきーさん 、地元の幼なじみすーちゃん(仮名)による猛烈なお片付け、他たくさんの方の手をお借りして、少しずつ古民家は片付きつつあり、

合間を縫って、β療法 の修行のため(資格取得後、各地の施術所で7日以上研修に通うことが開業の条件)、

近所の「レインボー診療所(仮)」を訪ねました。


「レインボー診療所」は、なるべく薬を使わぬ心療内科として、日本じゅうから重度の精神疾患者が来院し、瞑想や農作業や料理などをしながら合宿するという、名物クリニック。

森田療法や内観療法などを展開する院長の治療は、治療というより、大学の哲学講義にたとえられます。

この「レインボー療法所(仮)」の敷地にあるβ療法所に、週1回、隣市のお寺の和尚さんが通って来られ、患者さん達に施術されています。 

そこで研修生としてお世話になったのですが、

施設の特質からして、呂律の回らぬ方、末期がんの方など、強者がひしめいておられます。しかしみなさんニコニコと穏やか。


素敵な環境だね…と惚けている間に、和尚先生の御車に乗せられ、近隣のお宅に出張施術に連れられ🚙


どなたのお宅か知らぬが、こちらも見渡す限り美しい


ツバメさんも家屋に入ってきます

ここでも末期がんの方や、そうかと思えば、100歳(!)にして畑仕事にいそしむお兄様の施術を。
「整体もマッサージも受けたことがない」という地元翁の生命力をまざまざと見せられます。スーパーにもコンビニにも立ち寄らず、自分で育てた烏骨鶏の卵や家庭野菜を召し上がる日々という。

移住前は、そういうの難易度高い!と思っていたけれど、


留守の間に、(鍵を預けてる)地元友達が、玄関に置いていってくれた野菜を見たりすると…

半自給自足せねば!とイキって、そのくせ街や店がないと生きられないと思っていた自分が、サルに思えてくるのですよ…

🐒 サルに失礼だよ



そして「仕事」。
多くの方が移住に二の足を踏む上位の理由が、お仕事かと思いますが、腰を低く、頭を垂れて地域に溶け込めば、仕事もご縁も順次巡ってくるものかもしれません。




と言いますのは、無心に和尚先生の仕事をお手伝いしてましたらね…

「いい跡取りができたね」

と周囲の翁、嫗がおっしゃる。


ん? もぐもぐ

「そうだ。これで僕も毎週診療所に来なくて済む。あなたが開業したら、ここ任せるからね」

え? もぐもぐ

「家も近くだしね。出張の患者さんも任せるから」

……。そうだった ムキー


なんと、この「レインボー診療所」というのは、私が買った古民家から、わずか徒歩7分の位置にありまして。

「ここに近いと知ってて古民家買ったの?」
「そんな偶然ってあるの?」

と先生方や患者さんに驚かれましたが、もちろん知るよしもありません。

「研修場所ってどこだったかな…。安曇野市内だったはず」と、前日に和尚先生に電話して、ご確認した次第です。


自分の引きが恐ろしい。

これ、安曇野に骨を埋めそうになってるフラグやないかムキー




そういうわけで、もし移住を迷っている方がいたら、声を大にして言いたいです。

飛び込んでください。



考えるのをやめて、カンを澄ませて たいていのことは向こうから教えてくれる




人生が終わるまえに。


私が出会った末期ガンの方たちがおっしゃていたのは、

「勇気を出して、やっておけばと後悔してること」

「歩けるうちに、行っておけばよかった場所」

「死ぬ前に、会っておきたかった人」

のことばかりでした。




計算をやめて、歩いて。胸襟ひらいて、出会った人に声をかけてみる。


そうすれば、楽しいお仕事は、田舎にはけっこうあると思います。

 


控えめに言って、天国かもしれない。と思える日々に。


壊れまくる古民家とか、地獄の話も、そのうちさせて戴きますけどね……ムキー

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