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夏休みの宿題?(被災地うまいもん編)

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ことしも被災地取材にきました。3年目の石巻、気仙沼、南三陸はどうなったかな。

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これは気仙沼港から、500メートルも陸に流された第18共徳丸です。
全長60メートルの船がズドンと、丘に鎮座するさまは圧巻。ですが現地の方々にとってはいやな記憶を蘇らせる鬼のモニュメントです。維持費もかかる。このたび解体する方向となったそうです。もう見おさめです。



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東京の人間は、ありがたがって花屋さんでヒマワリを買うけれど、ここでは自生し放題です。
放置されたコンクリ骸や、住宅の基礎のわきに一輪、二輪咲いていると、何となく「ここでも死人が出たんだな」と思います。

おみなえし(別名=思い草)、反魂草(=死者を蘇らせる花)とともに、晩夏の被災地では妙に黄色が目について、背中がすうすうします。

コンクリの 墓石に見えて 思ひ草




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復興の行きづまりのようなものも感じた南三陸。でも、被災地だけでなくこれから日本の各所でこのような風景(過疎)が増えるのでしょう。東京がスタンダードだと思っていると現実認識のない、痛い人になっちゃう。




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気仙沼ではあこがれのモーカの星(鮫の心臓)をついに…。これを食べにきたと言っても過言でないです(涙)。生レバーや馬刺しに喩えられるけれど、そのどれとも違うフルフルした肉膜が柔らかく舌のうえでほどける(涙)。

石巻でしか手に入らない、限定純米酒も入手しました。諸々研究中につき発酵酒場は9月もお休みし、次は10/4(金)予定ですが、ぜひ皆様にご賞味いただきたいです。


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各所に点在する、ちいさな「復興市場」で、「キラキラ丼」だとか「宝石丼」と冠するにぴったりの海鮮丼が食べられますキラキラ





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石巻の美術館には、独特の文体をもつ学芸員さんがいました。何百点もの被災写真に添えられたキャプションが印象的。
「建物に、まるでクリスマスツリーのように網やブイが巻きついている…」
「まるで巨人の悪戯としか思えず…」。




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「石巻モデル」と言われる復興見本の街をあるく人々の数は、自分の予想の1/5くらいで、特に若者の気配がうすかった。
日曜日のせいもあるけど、シャッター街どころか「オールシャッター」状態。

「復興ダレしてしまって」と現地の人がおっしゃいましたが、夜になると、酔って自転車を投げ飛ばす青年集団などがいてすこし怖かった。

でも、ぐにゃりと曲がりっぱなしのアーケードやガードレールを見ていると、「割れ窓理論」じゃないけれど、若い人は気持ちが穏やかにならないと思いました。
恐らく今後も予算を組んで直してはもらえない程度の損傷、しかしいつまでも心にひっかりそうな損傷。

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そんな中で賑わっている数すくない居酒屋がありました。
マリリンモンローのポスターをぺたぺた貼り、トイレがなぜか金ピカの、昭和歌謡居酒屋の店主は「注文があったらタンスにゴンゴンしてくれ!」と、意味不明?^^

自分の世界観のあるマイペースな方は、被災しても何しても強いと思いました。カウンターにはキュートなお姉さんが4人も入り、おじさん客達の眼福に。

それと、中年お父ちゃんお母ちゃんはやっぱり強いです。中学生の父兄らしい男女8人が飲んでらして、

「あそこの奥さん、震災があったからって、子どもをあんな甘やかしたらダメになるよ! 家の中で子どもが水鉄砲したがるって、家じゅうビタビタにして遊ばせてるんだよ。水びたしは津波でこりごりだよねえ!!(爆笑)」

いや震災とか津波とは、もう皆口に出して言わないのでした。「港がああなってから」「あの地震のとき」、、そういう表現なのでした。

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2年半たって被災地を訪れる人はめっきり減って、東京から来たと言うと、意外そうに「ありがとう」と言われます。

そして、お話を請わないのに「浸水はこの高さまで来た。柱以外は全部立て直した。復興の状態はこれこれ。土産物でウケるのはこれこれ」と、詳細なガイドをしてくれます。どこでも、そうです。



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