7/28付で『本のへ理屈ですが』(22)を掲載していただきました。
(c)2013北日本新聞社
夏になると、独身友人達から「あれ、やらないんですか」と催促される……お勧め図書をもちよる「BOOK合コン」というやつです。数年前に、恋愛企画会社の社長に教わりました。
当時は、釣りコン、ゴルコン、料理コン、旅コンなどと並ぶ 変わりだね合コンという感じでしたが、今はすっかり定着したようです。
たしかに本を媒介にすると趣味嗜好がわかりやすく、話が弾み、なんだか知的な雰囲気のなかでアドレス交換率も高まる・・・一石三鳥くらいあると思います。
◆
それから時は変わって、今はガチンコの大集団的「読書会」が都市部で成熟してきたということで
日本最大級である猫町倶楽部を取材させていただきました。会員7千人!
むずかしい課題図書の読了という参加条件が、ナンパ気分の人をふるい落としながらも、かえって一般参加意欲をそそるという現象を起こし、
その日も120人がいっせいにボルヘス(ひー)を手にしている姿は迫力。若くきれいなお嬢さんたち、よくもまあ読了してこられました…。
そして、かわされる議論のおもしろいこと、そそられること。「議論フェチ」にはたまらない空気があります。そうそうネットとかじゃなくて、じかにお喋りしたいよね、次は私もまじりたーい
読書会は「安・近・短な知の稽古場として2010年代の気分に合っている」…それが「文学館ウエディング」にでも繋がればロマン・地域活性→採算ともによしと思ったのですが、
SNSを通じて参加者があつまるタイプの読書会、いつのまにこんなに盛り上がっていたんでしょうね。猫町倶楽部では著者を招いての講義などもおこなっておられますが、
百人、2百人がいっせいに本を買って読んでくれれば著者にとってもありがたいと思うし、書店フェアなどと連動して大きなウエーブとなる可能性もありそう。
課題図書にちなんだドレスコードがあったり、その表彰があったり、ジャズや映画の会へ派生したり。各種の読書会でもくふうをしていて、
なんか「読書ってカッコイイね」とか、「本を通して居場所がみつかった」というニュー読書スタイルの20、30代がこれからも増えそうです。
※訂正あり。猫町倶楽部は会員7千人。課題図書の読了が参加の条件。もうけたドレスコードにより「ベストドレッサー」が選ばれます(記事は訂正済)^^
過去記事
(1)脳機能学者・苫米地英人氏のこと
(2)関西の新出版機構・このお姉さまについて
(3)田原氏らジャーナリストによる3.11報道について
(4)目が離せないTSUTAYA書店の動向→出版トレンド
(5)東野圭吾さんに見る業界小説
(6)分冊百科が売れるカラクリ
(7)文士らに愛された 文壇バーへいこう
(8)富山の新設文学館に寄せて。
(9)なぜ富山デザインは優秀!?
(10)消してはいけない灯 書店の怪談2012・夏
(11)追悼・山本美香さん。平和発言やっと書けました
(12)幸福な出版をするための条件とは
(13)圧巻50万冊のおばけ古書店
(14)「料理本をつくる」という愛について
(15)文章の名医は「教えず」漢方を使う~小説家育成
(16)皆さんも出版〝者〟になりませんか
(17)『復興の書店』――人は本を食べて生きる
(18)『舟を編む』リアル編集者のもがく日々
(19)ドレスをまとい、女性誌は踊る
(20)作家の原体験と命綱…シニアエッセイにまなぶ
(21)宮内庁で隠されていた、ある作文より~アプレ女性達にしびれる。
↧
読書会から、文学館ウエディングへ
↧