おばんです。
2日付で記事掲載していただきました。本のへ理屈ですが№20
(c)2013北日本新聞(クリックで拡大できます?)
今回は手前味噌ですが、構成をお手伝いしたみつはしちかこさんエッセイ本のこと。そして活況のシニア本についてちょっと書きました。
ひとりぼっちの幸せ
~チッチ、年をとるほど片思いは深くなるね~
¥1,260
ちかこさんに作家の芽が出た瞬間として、多くが何度も見聞きされたであろう、あのエピソード…
---母親と死に別れてから、髪ぼうぼう鼻ずるずるの汚い少女になり、誰も気にかけてくれず、学校では嫌われ家ではいじめられ、草むらで泣いてばかりの日々であったが、
ある日、泣き疲れて顔をあげたら、名も知らぬちいさなちいさな 草花たちが慰めるように、語りかけてきた---
これが『ちいさな恋のものがたり』、チッチという妖精がのちのち生まれる 原体験であったかもしれないと。
私は、天からの啓示が降りた、またはシンクロした瞬間だったんだなあと思ってます。
「作家が作家の萌芽を得た原体験」というものをあれこれ追ってみますと、「自然」の中で起こることが極めて多い気がする。
どんなに洗練された都市生活描写を持ち味にする作家であっても、「原点」「原体験」「啓示」は、自然のなかでゲットしておられる。なんのことはない、幼少期なんですけど。
作家に限らないかな。胆力も第六感も、孵化するには、野山をうろつくような幼少期があってこそ、深い巣穴が形成されるんですね。
あたりまえかな? でも、現代っ子にとってはあたりまえじゃないですよね。
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加齢や大病を重ねて、
「人生につまづいた。しかし振りかえると、自分が歩いてきた野の花の1本道があった。後ろ向きにも道は続いていた。それが自分の背中を押し、未来へ連れていってくれる」
というちかこさんの趣旨は、ひとつことをずーーっと書き続けて形成した土壌あってのものであるし、幼少期に、天との同期をコンプリートさせてしまった強さでもある。
ただ、コンプリートしたつもりで長年油断したり忘却していると、人は病気になったり、仕事力が落ちてしまう。
ということは、天然の啓示の降りない(才能の薄めな)人は、手動で、こまめに天とプチ同期せにゃいかんわと(・・)
そんなことを教えてくれる作家のことば、深いです。
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作家の原体験と命綱…シニアエッセイにまなぶ
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